【書評】人生は攻略できる(橘 玲)【人生100年時代を生きるための攻略本】

思考
シロミ
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こんにちは。シロミです。本日の記事では、橘 玲さんの著書『人生は攻略できる』をご紹介します。

人生100年時代を生きるにあたって、特に若い世代に向けた本になっていますが、30代サラリーマンにとっても充分に参考になる本です。

この本は、人生をロールプレイングゲームに見立てて、その攻略法を伝えるというコンセプトで書かれた本になっています。

私たちはみな、幸福な人生を生きたいと思っています。
・好きなことに夢中になることで「やりがい」を得る
・やりがいが積み重なって「生きがい」になる
・それを後から振り返って、「幸福な人生」だと思う。

著者はまず、これらをひとつの幸福の定義として示します。

そして、人生を幸福に生きるための土台となるのが、以下の3つ。

①お金(金融資本)
②仕事(人的資本)
③愛情・友情(社会資本)

人によって組み合わせ方は異なるものの、幸福は、この3つの資本が土台となってつくられます。
この本は、「幸福になるための必勝法」を教えるのではなく、「幸福になるための土台の作り方」を教えてくれる本になっています

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この本の構成(「世界編」と「攻略編」)

この本は大きく二つのテーマから成っています。
ひとつは「世界編」、そしてもうひとつが「攻略編」です。

まず「世界編」で、私たちが生きるこの世界をどう理解すればよいかを学び、「攻略編」で実際にどのように人生を攻略していくかを学びます。

本のタイトルから言っても、「攻略編」がメインであるわけですが、「世界編」に書かれた、世の中がどう成り立っているかについての理解も重要です。

なぜなら、ゲームの世界観やルールを理解していなければ、攻略も難しいからです。

「世界編」の内容はここでは詳しく書きませんが、私の印象にのこった個所をいくつかピックアップすると、以下のような箇所です(私の解釈が入っているので、正確な理解でなかったらすみません)。

日本人は世界をネガティブに捉えがちな民族。だからこそ、みんなが世界をネガティブに捉えているときに、自分だけポジティブに捉えて行動すると、それだけで有利になることが多い。
幸福の重要な条件として、「マイナスがプラスに変わっていくこと」と「最後がプラスで終わっていること」がある。つまり、最初から大富豪に生まれて一生金持ちで終わっても、幸せとは限らない(変化がないから)。
「好きなこと」は、ともだち集団の中で自分が何が得意か(何で目立てるか)から生まれる。得意なことじゃないと人間は頑張れない。
「好きなこと」は自分の心(スピリチュアル)が知っている。スピリチュアルが拒絶するようなことを選んで妥協してはいけない。トライ&エラーを繰り返して、「圧倒的な努力」ができるほどに好きなことを見つけよう。
会社は社員が幸福になるためのただの道具。会社に使われるのではなく、会社を使い倒そう。「自分らしいこと=好きなこと」ができないと思ったら、さっさと次に移ったほうがいい。
いかがでしょうか。「世界編」で書かれている内容は、とても刺激に満ちていると同時に、世界を見るうえでの合理的な視点を私たちに与えてくれます。

「攻略編」の概要

いよいよここからが本題の「攻略編」になります。

攻略編1:お金

著者は、お金はなぜ大事なのかという問いに、「君をお金から自由にしてくれるからだ」と答えます。

われわれは、日本は自由な社会だと思っています。たしかに、世界には貧困や圧政などで人々が自由を奪われている国がたくさんあります。

ですが、そんな自由な社会である日本でも、われわれの多くは、何かに依存して生きています。例えば、ブラック企業だとわかっていてもなかなか退職に踏み切れない人が多いのは、収入を会社に依存しているからです。

お金を持っていれば、イヤなことにはイヤということができる「自由」が得られます。
国家にも、会社にも、家族にも依存せずに自由に生きられるくらいの資産を得ること=経済的独立が、経済的な意味での自由だと言えます。

では、お金を貯めるにはどうすればよいか。本書で示されるのは以下の3つです。
①収入を増やす
②支出を減らす
③運用利回りを上げる

当たり前のようですが、著者の言う通り、お金を増やす方法はこれしかないのです。

具体的な方法は本書に譲りますが、重要なポイントとしては以下2つでしょうか。
・夫婦共働きで、人的資本を最大限に有効活用すること
・プラスサムのゲームに投資して、複利の力を使って金融資産を殖やすこと

「プラスサムのゲーム」とは、参加者全員が得することができるゲームをいいます。誰かが買ったら誰かが負けるというのではなく、誰もが勝者になれる取引です。経済が順調に成長していけば、株式への長期投資は代表的なプラスサムのゲームということになります。

プラスサムのゲームに投資し、複利の力を活かす簡単な方法としては、インデックス投信への長期投資がおススメです。

攻略編2:仕事

攻略編の2つめである仕事編では、まず働き方を3つに分類しています。

①クリエイター(創造的な仕事をする人。組織に属さない)
②スペシャリスト(専門的な仕事をする人。組織に属さない人も、所属する人もいる)
③バックオフィス(事務的な仕事をする人。組織に所属して働く)

それぞれの特徴は、①クリエイターは、成功するのは難しいが成功した時の富には制限がない、②のスペシャリストは、時給は高いものの責任が大きい、③のバックオフィスはマニュアル化されており責任がない、ということになります。

これとは別の観点として、労働市場のあり方について著者は、「伽藍」「バザール」という概念を使って説明しています。

「伽藍」は、壁に囲まれた閉鎖空間で、参入が制限されており、よほどのことがない限り退出できないという特徴があります。こうした閉鎖空間では、一度悪評が付くと消えないままずっと残ります。

そこで生き延びるためには、「失敗するようなリスクは取らず、目立つようなことはしない」というのが最適な戦略となります。

一方で「バザール」は、解放された空間であり、参入も退出も自由です。こうした空間では悪評もすぐにリセットされるため、「失敗を恐れずに挑戦し、一発当てる」というのが最適戦略となります。

言うまでもなく日本のサラリーマンは「伽藍」的な世界観で生きているので、リスクを避けて目立たないよう息苦しい職場環境を強いられることになります。

その結果、さまざまな国際調査で、”日本のサラリーマンは世界でいちばん会社が嫌いで、自分の仕事にネガティブな感情を抱いている”ということになっているそうです。

著者によれば、日本のサラリーマンは②スペシャリストと③バックオフィスが混在している状態ですが、二つを見分けるには、「定年退職したあとも同じ仕事を続けられるかどうか」で考えるとよいそうです。

伽藍に閉じ込められたサラリーマンが多い世界で、なにかひとつ「スペシャル」なものを持っていれば定年もなく働き続けることができ、生きやすくなる。そのためには伽藍を捨てて、バザールに飛び込むことが必要だと著者は言います。

攻略編3:愛情・友情

愛情や友情はお金には換えられませんが、数でいうと家族や友人の数は、その他大勢の数に比べれば圧倒的に少ないはずです。

一方で主観的な重要性でいうと、家族や友人の重要性は、その他大勢に比べると圧倒的に大きいですね。

家族や友人との関係である「愛情・友情空間」 に対して、その他大勢との関係性を、貨幣空間と著者は呼んでいます。その他大勢とも、貨幣を介してつながっているからです。

この、その他大勢の貨幣空間においては、「評判」がカギを握ります。
UberやAir BnBなど、シェアリングエコノミーにおいては良い評判を積み重ねることがビジネスにつながります。

連続投資家の家入一真さんも、著書のどこかで「お金を失うよりも、ネット上の評判を失うほうが恐い」という趣旨のことを書かれていたと思います。

現在でも、口コミサイトやオークションサイトなどで、評判の見える化が進んでいますが、今後は通常のビジネスの世界においても、評判の見える化が進むのかもしれません。

そうすると、良い仕事をして良い評判を得ていれば、転職も容易になったり、フリーランスとして働く場合にも声がかかりやすくなるでしょう。

日本も将来的には、「バザール」の中で評判を積み重ね、フリーエージェントとして自分に合った環境、人間関係の中で働き、失敗したらまた挑戦し直せばいい、という社会に近づいていくのかもしれません。

こうして考えると、日本のサラリーマン的な働き方というのは絶滅危惧種であるという著者の主張もわかる気がします。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
本書は、著者の過去の著作を読んでいる人にとっては、聞いたことのある話もたくさんでてきます。
そういう意味では、橘 玲の入門書でもあり、ベスト盤的な著作でもあるのかなと思います。

私自身、橘さんの社会に対する合理的な考え方のファンなので、復習という意味でもこの「人生は攻略できる」は楽しんで読むことができました。

私自身はサラリーマンとして生活していますが、自分の子供が大人になるころには、サラリーマンという働き方は少数派になっているのかもしれません。

今でも、転職や社会人留学などが増えていて、日本でも働き方の多様化や人材の流動化は徐々に浸透してきていると思います。

20代、30代の人が自分の将来を考える上でも、40代以降の人が自分の子供たちの生き方を理解する上でも参考になると思いますので、ぜひ気になった方は本書を読んでみて頂きたいと思います。


人生は攻略できる

以上になります。

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